Mr.クライアントの奇妙な依頼

BREAK THE LIFE PUZZLE
[作品に対するプレゼンテーション]
 多頭飼育の現場の写真を見た時に写真の中の多くの犬や猫たちがまるで枠の中に押し込められたパズルのように狭い空間の中で生活しているように感じた。こんな状況を引き起こす飼い主はなんて悪い人なんだろうとも思った。しかし調べていくにつれ多頭飼育崩壊を起こす飼い主の中には自身の老衰のために世話を見切れなくなったり、どうしても犬や猫たちを集めてしまい世話をしきれなくなるといった「悪質だ」とは言い切れないような問題を抱える飼い主が居ることが分かった。  「puzzle」には「人を困らせる」という意味もある。狭い空間の中に存在する「命のパズル」の中には犬や猫だけでなく、飼育崩壊に悩む飼い主たちも押し込められているのだ。  パズルは1ピースかけるだけで不完全なモノになる存在。私達が手を伸ばし、たった1ピース取ろうと行動することで「命のパズル」から解放される命がある。デザイン上部はそんな状況を表している。また「PLEASE SAVE US」という目立たない一文には「命のパズル」の中で犬や猫に紛れて悩む飼い主の気持ちを表現した。一方「STOP ANIMAL HOARDING」の一文は見やすくし、一瞬でデザイン内にあるメッセージが伝わるようにも工夫している。